2011年10月07日

黄金の蛮族トラキア

Thracian_Tomb_of_Kazanlak.jpg


ひとくちにトラキアといってもいくつかの部族に分かれており
統一国家というものは存在しなかった。
人口的にはヨーロッパの一大勢力だったので
部族同士が争わずひとりの王のもとに結束すれば
世界最強の国家も夢ではなかったはずだ。
しかし彼らの興味はそこにはなかったのだ。

トラキアは大きく分けると三つの部族があった。
南部のベッサイ族、中央のオドリュサイ族、北東のゲダイ族
世界遺産になっているスヴェシュタリのトラキア人の墳墓は
ゲタイ民族の遺跡で、黄金のマスクはオドリュサイ族の王だ。

部族によって風習も違うのでいちがいに「トラキア」として
まとめてしまうのは危険かもしれないが
共通していえることは
ギリシャやローマからは蛮族と見られていたこと、
その兵士は勇猛果敢だったこと、
魂の不滅を信じていたこと、だろうか。
古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは言う。
「トラキアでは労働をしない人間の身分が高い。
 土地を耕すものはもっとも卑しまれる。
 戦争と略奪で生きるのが最高と言われている」

トラキアの土地は肥沃だったが
それを耕すのは奴隷の仕事だった。
トラキア人が愛していたのは戦いとそのパートナーとしての馬、
そしておそらくはまばゆい黄金の武具だっただろう。


この世でもっとも管理された集団は軍隊である(その逆は農民だ)
蛮族という言葉の示すものは礼節を知らない文明文化のない人々だが
トラキア人は高度に管理された兵士の集団であり
おびただしい黄金の異物を残したその文明は
古墳の壁画や副葬品などによって解明されつつある。



出演者情報:瀬川亮 http://www.weblio.jp/content/瀬川亮
タグ:トラキア
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