2009年10月04日

朱鷺と酒と環境

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酒づくりは環境問題と密接につながる。
たとえば白州に蒸溜所を持つある洋酒メーカーは
「ウイスキーの資源は自然だ」という考えのもとに
蒸溜所の背後の広大な土地を買い取り囲い込み
さらに森の番人を置いて自然を守ることによって
ウイスキーの命ともいうべき水を守っている。

日本酒もまた米と水からつくられる。
けれども、ひとつの蔵元に広大な土地を囲い込む資力が
あろうはずもないので
これは付近の人々や自治体といかに協力し合うかが問われることになる。

かつて日本にいた朱鷺は乱獲のために数を減らしたが
その最後の止めを刺したのは農薬だった。
朱鷺は田圃のドジョウやミミズを食べるので
その田圃に農薬が撒かれたらひとたまりもなかった。
死んだ朱鷺の内蔵から多量の水銀が検出されたそうだが
ではその田圃の米を食べていた人間はどうなのだという話にもなる。
そして生まれるべき朱鷺の子供たちを生まれなくしたのは開発で、
警戒心の強い朱鷺が安心して雛を育てられる環境が
急激に破壊されていったのだ。

いま、佐渡では農薬を3割減らした米、5割減らした米
さらに農薬と化学肥料を減らした上に
朱鷺の餌場をつくった農家の米などを「朱鷺」の名前をつけて
販売している。
朱鷺の餌場をつくるということは
年間を通じて生き物が生育できる環境をつくるということだで
有機栽培をもう一歩進めたカタチだといえる。
佐渡はもともとおいしい米を産するところなので
この農業の変化は消費者にとってもうれしいことに違いない。

さて、新潟県長岡市の柏露酒造では
売上げの一部を朱鷺の保護募金にするという日本酒を売り出した。
「米や水など自然とかかわりの深い酒造会社だから」というのが
その理由だ。

さらに朱鷺の地元佐渡の加藤酒造店では
朱鷺のために減農薬・有機栽培にした田圃の米からつくった酒
「金鶴 吟醸 生酒」を売り出した(本年度は売り切れらしいが)

朱鷺のための環境づくりに協力する人たちがいて
その人たちの生産物を買う人がいて
さらにその生産物からできた商品を買う我々がいて
その流れの勢いが活発になったとき
きっと朱鷺が生きる環境が定着するのだと思う。

タグ:朱鷺
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