2011年09月30日

文字を持たない黄金の国トラキア

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文字を持たない黄金の国トラキア

ブルガリアの黒海に面したヴァルナという街で
地下ケーブルの工事現場から古代の集団墓地が発見されたのは
1972年のことだった。
墓地からは遺体とともに黄金の副葬品が発見された。
それは紀元前4500年も前の黄金、
世界最古といわれてきたエジプト、メソポタミアよりも
古い時代につくられた黄金だった。
トラキアはこうして世界の注目を浴びることになった。

2004年にはブルガリア中央部カザンルクのバラの谷と呼ばれる渓谷では
紀元前5世紀のトラキア王(セプト三世)の黄金のマスクが発見され
またもや世界は騒然となった。
バラの谷には香油用に栽培されるバラ畑のなかに
1000もの古墳が点在している。
ブルガリア全土の古墳の数は25000を超える。
2008年、トラキアの古代の黄金を集めた「よみがえる黄金文明展」が
開催されたが
そのときブルガリア各地の博物館から厳選されて
日本にやってきた秘宝の数は170点余り。
王のマスク、花冠、杯、武具、装飾品など
すべてがまばゆいばかりの黄金の芸術性高いものばかりで
黄金の国トラキアを印象づけたのだった。

しかしこの黄金の国トラキアは文字がなく
トラキア人自身による歴史の書もない。
黄金の国としてスポットが当たるまで、トラキアは
古代ギリシャの歴史家ヘロドトス、詩人ホメロスの書で
わずかにうかがい知れるだけだった。
謎の国、謎の民族として忘れられようとしていたトラキアは
黄金の発掘で一躍スポットライトを浴びることになった。
近年になって発掘研究も進み
ブルガリアの人々はトラキアを話題にするようになったらしい。


出演者情報:瀬川亮 http://www.weblio.jp/content/瀬川亮
タグ:トラキア
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2011年09月24日

ディオニュソスの放浪

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ディオニュソスはもともとトラキアあたりの神さまだったらしい。
酒の神なので、その儀式は集団的な興奮や恍惚感につつまれており
要するに酔っぱらい集団が怖いものなしに暴れる様子を想像すれば
わかると思うのだが
そんなわけで、そのときどきの為政者に禁止されることがあった。
しかし祭り好き集団はたいして言うこともきかず
暴れまくっていたようだ。

ディオニュソスには出生の秘密ともいうべき長い物語があるが
たぶんそれは彼がギリシャに受け入れられ、
十二神の仲間入りを果たしてからさまざまな土着の神話をまとめて
つくりあげられたと思うので
とりあえずここでは紹介を省き
ただ、ディオニュソスがギリシャの神々の仲間入りをするまでの
長い旅をざっと書いておきたいと思う。

まずエジプトとシリアをさまよい歩く。
トラキアではエドノス族の王に追放される。
(女の信者が亭主を放ったらかして乱舞したせいだといわれる)
テーバイでは王の母を狂わせ、息子殺しをさせてしまう(酒は怖い)
オルコメノスでは言うことをきかない王の娘三人をコウモリに変えてしまった。
アルゴスでも信徒にならなかった娘三人を発狂させた。
ナクソス島へ渡ろうとして海賊に捕まったときは
マストと舵を櫂に変え、自分は獅子の姿になり、あまつさえ甲板に熊を召還した、
海賊どもは逃げ惑い海に飛び込んでイルカになってしまった。
葡萄の産地エレウテライに来たときも信仰を怠った王の娘たちを狂わせた。
後に王はディオニュソスを祀り、娘たちももとに戻っている。

このへんがギリシャとその周辺におけるディオニュソスの冒険だが
ディオニュソスは実はインドまで遠征し、征服したという話もある。
神話とアレキサンダー大王の伝記がごちゃまぜになったような話だが
まあワインが東へ伝わった程度に考えていいかもしれない。
インドにはシヴァ教があり、ディオニュソス教とともに
農耕文明の自然崇拝から発生した精霊信仰を受け継いでいる。

ディオニュソスの放浪の大部分は信仰の弾圧と
それに対するディオニュソスの反発というパターンで、
@ ディオニュソスの行く先々で信者の女が義務を忘れて楽しみにふける
A それに従わない権力者の娘、または弾圧する権力者
B 報復するディオニュソス
ということになっている。

要するに他所から来た権力者に都合の悪いディオニュソス教が
どうしようもなく受け入れられる過程が旅の物語として伝えられているのだ。
嫌われまくったディオニソスは結局のところ
民衆の人気に負けてギリシャの神々の仲間になった。

物語にはディオニソスの行くところ女の信者が酩酊して狂乱した様子が
よく描かれているが
とどのつまりは、日頃は抑圧されている女性が、
たまには亭主や子供のことを忘れて楽しんでもいいじゃないのよ、と
まあそういうことからはじまって
ついには男性もひっくるめて法や束縛からの解放という意味合いになったのだと思う。

ディオニュソスはさまざまな土着の神の集合体といわれるが
その中心はトラキアの北あたりらしい。



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2011年09月17日

トラキア生まれのオルフェウス

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オルフェウスはトラキア王オイアグロスと音楽の女神カリオペの息子だ。
アポロンから竪琴を習い、やがてギリシャでいちばんの名手になった。
オルフェウスが竪琴を奏でると嵐も静まったほどだ。

オルフェウスにはエウリュディケという妻がいたが
ある日、毒蛇に噛まれて死んでしまった。
オルフェウスは妻を取り戻すために黄泉の国へ行き
楽の音で冥界の人々を魅了して黄泉の国の王の前に立った。

黄泉の国の王ハーディスは
冥界を出るまで振り返ってはならないという約束を求めた。
オルフェウスは約束に従って妻を連れ出したが
出口の光が見えたところで振り返って妻を見てしまった。
妻は再び黄泉の国に戻ってしまった。

これがオルフェウスの名高い神話の部分だが
その後、オルフェウスは宗教の開祖となった(と、されている)
それがオルフェウス教だ。
ギリシャの古代宗教は死語の世界についてほとんど言及していないが
同じギリシャの密教だったオルフェウス教は魂の不死を説き、
輪廻転生によって肉体が繰り返し生まれ変わるとしている。
そして輪廻転生は悲しみの輪であり、
最終的にはそこからの解脱を目的としている。

トラキアにはもともと土着のディオニュソス崇拝があった。
これは集団が歌い踊る祭礼をともなっていた。
ディオニュソスはローマ神話におけるバッカスで
要するに酒の神、豊穣の神、酔っぱらいの神であり
その誕生の過程で一度死んで生き返っているから死と生命の神ともいえる。
そのキーワードを抜き出して
「酒、豊穣、酩酊、死、生」と「集団の歌と踊り」をくっつけてみると
だいたいその賑やかさが想像できるが
そのディオニュソス教から禁欲的な異端の宗教として生まれたのが
オルフェウス教だったのだ。
非常に乱暴な説明をすると
ディオニュソス教は集団で歌い踊る宗教で、オルフェウス教は個人が
精進する宗教といえると思う。

オルフェウス教は魂の不死というのがいかにもトラキア的だが
ギリシャへ渡り都市化したオルフェウス教は秘密の宗教だったので
正確な記録というものもなく
ただ、文明の向こうに位置すると思われていたトラキアの影響を知る
小さな手がかりに過ぎないのが残念だ。



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2011年09月10日

トラキアの東の風の国

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トラキアは現在のトルコ、ギリシャ、ブルガリアにまたがって
かつて存在していた(上の地図のうす茶の部分)
そこにはトラキア語を話す民族が住んでいて独自の文化が栄えた。
トラキアはあくまでもトラキア人が小部族を形成して
住み着いている「地方」であり
人数的には大勢力であったがトラキア帝国というような統一国家はなかった。
文字もなかったので正史も記録されていない。
紀元前11世紀ころには都市国家らしきものがあり
紀元前7~6世紀に全盛期を迎えた形跡はあるようだが
紀元前6世紀には早くもギリシャの植民都市が建設されているし
ペルシャが進出するとその支配下に入っている。
紀元前4世紀にはマケドニアに征服され
その後もローマ帝国、ブルガリア帝国、オスマン帝国などに
支配されつづけている。

トラキアが歴史上ではじめて登場するのは
ホメロスの叙事詩「イーリアス」で、ここにはトラキア人が
トロイアを支援して戦ったと書かれている。
紀元前8世紀半ばのことである。

紀元前の歴史家ヘロドトスはトラキアとさらにその先のスキタイまで
旅をしたらしく、
紀元前5世紀ころのトラキアの風俗についても言及している。
古代ギリシャからみるとトラキアは文明の外にあり
死を恐れぬ蛮族の土地、黄金の土地、東の果ての神秘の土地でもあった。
乱暴な風の神が棲んでいても何の不思議もないところだったのだ。



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タグ:トラキア
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JAZZ ART せんがわ 2011

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=タイムテーブル=
▼9月9日(金)
【17:20-】アートパレード

《せんがわ劇場》
【18:00-18:30】オープニングセレモニー 演奏:恥骨
【19:00-19:40】白石かずこ(詩)・井野信義(b)・巻上公一(theremin)
【20:30-21:20】細江英公(写真映像)・梅津和時(sax)、
       藤原清登(b)・吉田隆一(B-sax)・大野慶人(舞踏)

《KICK BACK CAFE》
【19:30-21:30】佐藤正治と音もだち Jazz Art スペシャル
(佐藤正治(vo/ds)・太田恵資(vl)・鬼怒無月(g)・吉良知彦(vo/g)・
 坂出雅海(b)・柳家小春(三味線)・泉邦宏(sax)


▼9月10日(土)
《せんがわ劇場》
【11:00-11:40】「こどものための声あそび」蜂谷真紀(vo)・ロケットマツ(key)
       石川浩司(perc) ※小学生以下無料
【12:30-13:10】秘宝感(斉藤良(ds)・纐纈雅代(as)
       スガダイロー(p)・佐藤えりか(b)・熱海宝子(秘)
       石井千鶴(鼓) 
       ゲスト:蜂谷真紀(voice)宝子(舞踏))
【14:00-14:40】KAZE (Christian Pruvost(tp)・田村夏樹(tp)
       藤井郷子(p)、 Peter Orins(ds))
【15:30-17:00】《自由即興(1)》※観覧無料
【17:40-18:20】藤原清登 Jump Monk Bass Band Special (Jump Monk BBS)
(藤原清登(b)・栗山雄暉(tp)・宮木謙介(b-sax)・廣瀬真理子(g)・伊藤一樹(g)
 松山修(ds)・遠藤定(b)・柿本論理(b)・鈴木元(b)・加藤久志(b))
【19:10-19:50】おしりたち 酒井俊(vo)・石橋英子(p/etc)・山本達久(ds)
        坂本弘道(vc)
【20:30-21:10】ヒカシュー (巻上公一(vo,cor.)・三田超人(g)・坂出雅海(b)・
       清水一登(p/bcl)・佐藤正治(ds))with 藤原大輔(t-sax)

《KICK BACK CAFE》
【14:00-15:30】荒井良二+PIKA☆ 弾き語り大作戦
【19:30-21:30】NON BAND Hirosaki unit
(NON(b/vo)・石田ハジメ(g)・對馬将太(perc)・山岸麒之介・玉垣ミツル(NON BAND)・佐々木絵実(NON BANDサポート・キキオン・蛇腹姉妹)

《Jenney‘s Kitchen》
【13:10-13:50】oncenth trio(岩見継吾(b)・栗田妙子(p)・池澤龍作(ds))
【14:50-15:30】蜂谷真紀(vo)・ロケットマツ(key)・石川浩(perc)
       ★大人向け
【16:10-17:10】副島輝人Jazz Art talk「日本のフリージャズが世界をゆく」
【18:20-19:00】Giovanni Di Domenico(p)・高岡大祐(tuba)

《K2 studio》
【13:00-17:00】Hacoの音虫眼鏡ワークショップ(1)※参加者募集中


▼9月11日(日)
《せんがわ劇場》
【11:00-11:45】《サンデー・マティネ・コンサート》坂本弘道(vc/etc)※入場無料・当日先着順
【12:30-14:00】《自由即興(2)》
【15:00-15:40】八木美知依ダブル・トリオ
       (八木美知依(筝)、田中徳崇(ds)・須川崇志(b)
        本田珠也(ds)・トッド・ニコルソン(b))
【16:30-17:10】坂田明(sax)・ジム・オルーク(g)・山本達久(ds)・       PIKA☆(ds)、高岡大祐(tuba)
【18:00-18:40】佐藤允彦(p)・太田恵資(vl)・今堀恒雄(g)
       巻上公一(theremin,cor.)
【20:00-21:30】《John Zorn’s COBRA 東京せんがわ作戦 神田佳子部隊》
(有馬純寿(computer)・大石将紀(sax)・神田佳子(perc)・
木ノ脇道元(fl)・坂本弘道(vc)・佐藤允彦(p)・しばてつ(ピアニカ)
田中悠美子(義太夫、太棹三味線)・中村仁美(篳篥)・橋本晋哉(tuba)
藤原清登(b)・松平敬(br)・本田珠也(ds)・巻上公一(prompter))

《Jenny's Kitcen》
【14:10-14:50】泉邦宏 solo(sax/etc)
【15:40-16:20】片山広明(sax)・藤掛正隆(ds)・巻上公一(vo)
【17:10-17:50】坂本弘道(vc)・喜多直毅(vl)・パール・アレキサンダー(cb)
【18:50-19:30】坂田明 solo(sax/etc)

《K2 studio》
【13:00-16:30】Hacoの音虫眼鏡ワークショップ(2)

JAZZ ART せんがわ 2011
http://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/05849.html

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