2010年04月25日

琉球の女の秘密の信仰

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いまでも同じことが行われていいるのかどうかは知らないが
戦前くらいまでの沖縄の島々では
嫁入りのときに香炉を持って行く習慣があったという。
香炉は神の象徴である。
それが何の神か定かではない。祖先神でも村の神でもない。
ただ母から娘に順繰りに伝えられてきた神だというばかりである。

その香炉は夫も息子も拝むことはできない。
女だけの秘密の神であり、男はその信仰をうかがい知ることもできない。
神話ではない現実の「見てはいけない」が存在したのである。

習慣や信仰の異なる部族の女を娶ったとき
その家には異なる生活様式が持ち込まれることになる。
妻の信仰が夫と異なるとき
「見てはいけない」は妻の信仰の秘密を尊重することであり
その尊重が継続している間は問題なく夫婦仲も続いたであろうと思われる。
見てはいけない約束が破られたときの結果は
いまさら言うまでもなく、神話や物語で語られている。



Voice:大川泰樹 http://yasuki.seesaa.net/ 03-3478-3780 MMP
Tokyo Copywriters' Street 10年3月放送
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2010年04月18日

「見てはいけない」からはじまった日本

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古事記と日本書紀に記述されている歴史が
神の歴史から人の歴史に切り替わるのは
初代天皇の神武からだ。
神武は異種婚姻から誕生する。
それを伝えるのはおとぎ話として知られる海幸彦と山幸彦の物語で
山幸彦のホオリノミコトは兄の海幸彦(ホデリノミコト)の
釣り針を借りてなくしてしまったために海神ワタツミの宮殿に行く。
そこで山幸彦はワタツミの娘トヨタマ姫と結婚し
兄の釣り針も見つけることができる。

この物語はさまざまなことを伝えている。
まず、山の民と海の民の対立である。
それから山幸彦が釣り針を持ち帰って兄に返すときに
海神に教えられた呪いをかけたことによって
兄の海幸彦は貧しくなり、ついに戦いが起こる。
このとき山幸彦は海神にもらった宝珠で洪水を起こして勝利するのだが、
ここに洪水伝説も見ることができる。
それから山幸彦と海神の娘トヨタマ姫との異種婚姻である。

この異種婚姻は山幸彦が、見てはいけないトヨタマ姫の出産を
のぞき見たことによって壊れてしまう。
トヨタマ姫はワニの姿になって子供を生むところを見られて
海の宮殿に去ってしまうのだ。
このとき生まれたウガヤフキアエズノミコトを養育するために
トヨタマ姫は妹のタマヨリ姫を地上に送り出す。
そして、ウガヤフキアエズノミコトは後に叔母のタマヨリ姫と結婚し
日本の初代天皇である神武が誕生する。

この山の民の象徴であろう山幸彦と海神の結びつきによって
当時の日本の、おそらく九州の一部の地域に新しい権力が生まれる。

このとき海幸彦は山幸彦に敗北して臣下にくだり、
その子孫は隼人として代々の天皇に仕えることになったとされる。
なお、薩摩と大隅に居住していた日本原住民である実際の隼人は
他とは異なる言語や風俗を持ち
耕作に適しない火山灰の土地に住んだために農耕をせず
狩猟と漁業を生業にしていた。
新勢力のヤマト王権(と、仮に呼ぶのだが)が九州を侵略したとき
クマソが比較的早い時期に恭順し
このクマソを利用してヤマト王権は隼人に対抗したとみられている。
隼人はヤマト王権の支配下に置かれた後も
しばしば反乱を起こしている。




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タグ:異種婚姻
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2010年04月09日

ナイルの向こうにアジアがあった

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古代ローマの道路整備は紀元前300年ころからはじまり
ローマ帝国の最盛期(最大版図期)の紀元2世紀には
29万kmに及ぶ道路網が帝国全域に広がっていた。
「すべての道はローマに通ず」とローマ人が威張るのも当然だった。
シルクロードの草原の道、オアシスの道、
それから海のシルクロードが発達して
東西の交易がさかんになったのもこの頃だといわれる。

もちろん、海のシルクロードそのものの歴史はもっと古い。
紀元1世紀には紅海からペルシャ湾、アラビア海、ベンガル湾にかけて
金銀銅、真珠に象牙、香料や綿布が
海上輸送によってさかんに流通している記録が残っているし
古代エチオピアに栄えたアクスム王国が
インドとローマを結ぶルートで国を挙げて交易をしていたのは
紀元前5世紀から紀元1世紀にかけてだった。

その海のシルクロードで重要なのがナイルである。
ナイルは地中海と紅海を結ぶ運河の役割を果たしていた。
地中海からナイルを遡ってテーベ(ルクソール)の都へ、
そこから荷物をラクダに積み替えて数日で紅海へ出る。
そこからは、果てしないインド洋だった。
インド洋では夏の季節風をヒッパルスの風と呼び
船を遠い東の国へと連れて行った。

舟は大量の荷物を運ぶ。
陸の道は戦争で閉ざされることもあるが海の道はいつでも開けていた。
海の道を行く人々は、ナイルの向こうにアジアを見ていたのだ。




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タグ:ナイル 帆船
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2010年04月06日

いまから間に合う桜

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新潟県弥彦村 弥彦公園:桜の種類が多いので4月いっぱいは十分楽しめる
新潟県上越市 高田公園:まだツボミ さくらロードのライトアップあり
茨城県土浦市 桜川土手:3分咲き

栃木県 日光街道桜並木:つぼみ 4月中旬以降に開花の見込み
宇都宮市 八幡山公園:ちらほら咲き 花見期間中は宇都宮タワーも夜間営業
栃木市 大平山自然公園:2分咲き程度 
            花見期間中は太山寺の枝垂れ桜をライトアップ

千葉県 マザー牧場:7分咲き 菜の花もキレイ

埼玉県 上長瀞駅の桜のトンネル:2分咲き 4月10日ころが満開の予想
埼玉県毛呂山町 鎌北湖:2分咲き 湖面に映る桜の美しさは定評がある

長野県伊那市 高遠城址公園:咲きはじめ 4月9日〜15日あたりが見頃か
長野市 善光寺と城山公園:つぼみが膨らんでいる 4月中旬に期待
長野県 小諸城址公園:つぼみ 4月10日頃に開花の予想
山梨県 河口湖畔:つぼみが大きくなってきました

金沢市 兼六園:3分咲き 4月11日まで無料開放

福島県三春町 三春の滝桜:つぼみ 開花予想は4月12日
会津若松市:鶴ヶ城公園:つぼみ 4月17日と18日はさくら祭

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2010年04月04日

ヌビア

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ヌビアはエジプト南部からスーダンにかけての地方の呼称であり
またその地方に住む民族を指す。
ヌビア人はエジプト人と共通の祖先を持つが
古代よりギリシア・ローマ人が移住し、混血が進んだエジプトよりも
原エジプト人に近いと思われる。

ヌビアは古代には独立した王国であり、金銀銅などの鉱物を産した。
一時期はナイルの支配者でもあった。
北のエジプトとは相互に干渉し合っていた。
つまり、交流もあったが、侵略されたり侵略したりの関係もあり
また縁戚関係を結ぶこともあった。
ツタンカーメン王の祖母はヌビア人との混血だったという説もある。

また、エジプトの第25王朝の初代の王は
黒いファラオと呼ばれるヌビアの王だった。
黒いファラオはヌビア人の肌が黒いことを指している。
紀元前8世紀、エジプトが小国に分裂し、異民族が首長になって
宗教も文化も息絶えようとしていたときに
神官たちが救いの手を求めたのがヌビアだった。
この時代のヌビアは「エジプト人よりもエジプト人らしかった」と
いわれる。
黒いファラオは五人を数える。

肌が黒いという理由でヌビアの歴史はなかなか日の目を見ず
またその遺跡群もアスワンハイダムによって
危うく水没させられるところだった。
いまダムの周辺にあるアブ・シンベル神殿、フィラエ神殿、
カラブシャ神殿はこのときに移築されて水没をまぬがれたものである。

そして、いままたアスワンハイダムのさらに上流で
スーダンが建設した巨大なメロウェダムが
未発掘のヌビア遺跡を呑み込んでいる。
メロウェもまた紀元前300年ころには
ヌビアの王国の首都だった土地である。

ところで、ファルーカはヌビアの伝統的な舟だ。
アスワンやルクソールなどのヌビア地方では
いまでも生活の足として、また観光船として利用されている。
ファルーカのことを書こうとするとどうしてもヌビアを避けて通れない。
現在、エジプト文明という言葉が使われるとき
ヌビアも含んでいることを記憶しておきたい。



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タグ:帆船
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